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ゲーム作りしか能のない企画屋の趣味とか日常。売国奴お断り。

◆壊れてる?

2007.06.28/Thu/23:59

 月末前はちょっと修羅場。今日も終電で午前様。

★今日の乱読『きみとぼくの壊れた世界』
 著者は西尾維新氏。

 みんな台詞長すぎ。特に病院坂(←登場人物名)。

 一応本格ミステリと銘打たれてはいるが、推理小説的な部分はさほどでもない。人死には一人だけだし、トリックも稚拙ではないが単純で大仕掛けではない。まぁ謎が謎を呼ぶようなタイプではない。では面白くないのかというととんでもない。はっきり言って面白い。

 主人公は冷静な思考をするけれど妹のためなら破滅をも辞さない重度のシスコン、櫃内様刻。
 主人公の妹で兄より重病の依存的ブラコンを患っている、櫃内夜月。
 同級の親友は剣道部の部長で頼もしいナイスガイ(死語だが作中そう書いているから仕方ない)、迎槻箱彦。
 箱彦の幼なじみで同級で友達以上進行形? の元剣道少女、琴原りりす。
 明晰な頭脳を持つ対人(視線)恐怖症持ちの保健室のヌシな謎的少女、病院坂黒猫(別名くろね子)。

 この五人の想い、恋心、友情、思慕、興味、妬み、羨み、庇護、偽り、その他諸々が一つの事件で複雑に重なりあっていく様子は読み手を引き込む魔力的なものがある。ミステリではなくミステリを隠れ蓑にしたジュブナイル、それもどちらかというとギャルゲーやエロゲに片足突っ込んだ感じの物語だ。

 終盤、ミステリの種明かしそのものについては確かにあっさりという印象だったが、数多く散りばめられた伏線にも関わらず事件の真相については種明かしまで全容は把握できなかった。そういう意味では、ミステリとしても秀逸だった(鷹さん個人の読みが甘かっただけかもしれないが)。

 ラストはハッピーエンドだが、この時点では事件そのものはあまり解決していない。愛憎、疑惑、公権力、いろんな要素で崩れかねないハッピーエンドだ。しかし不思議とマイナスの感情は起きない。危ういバランスではあるものの、様刻の言葉を借りれば『今日も世界はこんなに平和』なのだから(ここでいう世界、とは主人公の周辺という意味)。

 解決してないことが多いにも関わらず爽やかな読後感。良かった。

 強いて荒らを探すなら、回収しきれていない伏線があること、描写が難解なこと、台詞がやたら長いことか。後者二つについては作者の個性なのかも知れないが……。評価は【◎】。
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